キネマ探偵カレイドミステリー 斜線堂有紀 感想
「休学中の秀才・嗄井戸高久(かれいどたかひさ)を大学に連れ戻せ」。
留年の危機に瀕するダメ学生・奈緒崎(なおさき)は、教授から救済措置として提示された難題に挑んでいた。しかし、カフェと劇場と居酒屋の聖地・下北沢の自宅にひきこもり、映画鑑賞に没頭する彼の前に為すすべもなく……。そんななか起こった映画館『パラダイス座』をめぐる火事騒動と、完璧なアリバイを持つ容疑者……。ところが、嗄井戸は家から一歩たりとも出ることなく、圧倒的な映画知識でそれを崩してみせ――。
メディアワークス文庫公式サイトより
「終幕だ。傑作だったな」
まずあらすじから気になる作品は珍しい。
大学を休んでいる映画大好きな天才カレイド(変換面倒なので)を連れ戻せ。
留年を回避するために、教授からナオザキ(これも許して)に提示された条件がそれだった。
どうしてカレイドは引きこもっているのだろう。
彼は去年、主席で合格したという。
表紙の髪が白い方がカレイドです。もう一人がナオザキ。
ナオザキが必死に連れ戻そうとするも彼は絶対に応じません。これがまた面白い。
二人は出会ってすぐに喧嘩をしてします。
ですが、物語は四篇に分けられその度に絆を深めていく。
毎回しょうもない喧嘩を繰り広げるが最後は必ず仲直りするんです。
彼らの関係は見ててとても良いコンビだと思う。
外でナオザキが奮闘し、家に引きこもっているカレイドが謎を解決する。
全ての事件が映画に関連して、映画が好きな人は「あれのことか」と納得するでしょう。ナオザキのように映画に関してはドラえもんぐらいしか記憶にない人でも純粋に楽しめるはず。
映画の知識はまったく無知な自分でも面白かったです。
また話は戻りますが最初、ドラえもんの件から始まるので物語に入り込みやすい。
序盤は、冗長で説明臭い作品がたまにありますがこれはそんなことはないので気ままに読めます。
舞台は大学で、その地域の殺人事件も取り扱いますが結構温度差が激しいのが逆に恐ろしい。
日常に潜む謎を解決する話は「氷菓」に近しい雰囲気が感じ取れます。
でも自分的にはこちらの作品の方が好みです。
どうしても氷菓の登場人物には少し、人間味が欠けているように思えて寂しいのです。
ですが、カレイドミステリーの主人公たちには熱さが最後、感じ取れた。
本当に熱かった。
もうめっちゃ燃えました。
最後のオチも最高で笑えましたし、狂気の出し方とそこら辺の調整は本当に上手いなぁと思います。
自分的には日比谷君が好きです。
今後出番はあるのかどうか解らないですが。
全体的に完成度が高いので、今後が少し心配な部分もあります。
勝手な心配ですが、毎回映画になぞらえて事件を解決したりしますので、ネタ的には大丈夫なのかなぁと。
映画縛りというのは辛い気がしますが。そこは自分の思い過ごしかもしれません。
続刊は出てくれるのであれば楽しみに待っていたいです。
おもろかったなぁ。
ここから少しネタバレというか、小説に出ていた作品をまとめてみました。
自分的にも今後、それを当てに映画を借りて行こうかなと思いましたし。
ただ作中に出た名前をそのまま並べただけですが。
1
キネトスコープ・エジソン
ドラえもん ブリキの迷宮
ギルバート・グレイブ
ヴィッジュの消防士たち
2
ロイドの要人無用
ザ・レッジーー十二時の死刑台ーー
独裁者
多分バックトゥザフューチャー
3
REC
第9地区
バックトゥザフューチャー
4
アイアンマン
セブン
ザ・タウン
アルゴ
ゾディアック
スクリーム
ラスト・サマー
キックアス
バイオハザードV:リトリビューション
フォー・クリスマス
キンキーブーツ
クラッシュ
ブライドネス
ファイナルデッドスクール
13ゴースト
96時間
結構疲れた。抜けている作品もあるかもしれませんので、分かった方がいましたらコメント欄にでもお願いします。誤字脱字も。
ほとんど観たことのない作品ばかりでした。
カレイドの知識量半端ないな、これは。
それと、花村が知りたかった作品の詳細が解らない。
誰か解った人は教えてくださいませ。