高専なんか怖くない

現高専生が高専について感じたままを記録し、まれに本や映画の紹介をします。寮生は暇なんですよ。

暗いところで待ち合わせ 乙一 少しネタバレしてます

この頃読んだ面白かった本を紹介したいと思います。

まず言いたいことがあって、この作家さん元高専生です。しかも、大学に編入されてしっかりと卒業しております。

更に何がすごいって在学中にデビューしてらして。

まぁ、とにかく凄い人です。尊敬します。

 

近いうちにこのブログで紹介するつもりですが、今日はひとまず本の紹介を。

この作者の作品は、大体ミステリーよりです。

でも、何かしら仕掛けがあって今回は盲目の女性の家に殺人犯が潜り込みます。

 

駅で殺人事件があり、その容疑をかけられている男はその盲目の女性の家に忍び込みます。

しかも目が見えないというのは周知の上です。

 

んでもって盲目の女性も馬鹿じゃありません。

やっぱり気づきます。

目が見えないと言っても、床を歩く音、布がこすれる音。出来るだけじっとして居ようにも出てしまう音はあります。

 

でも彼女は気づかないふりをします。

連日ニュースを騒がしている殺人犯です。

下手に騒げば、殺される。そう思ってしばらく過ごすわけです。

 

 

 

しかし、本当に面白かった。

途中、どうなるかある程度の結末は予想が付きますが、そのシナリオ展開を丁寧にじっくり書き進めてくれる。

この作品の時期設定が冬なもので、丁度上手いことあって共感できる。

寒さに耐える描写や、その他の雰囲気。

乙一の作品は、全部が細かく、その情景を想像しやすい。

そして登場人物の感情も

 

盲目の少女と殺人犯の男、育った過程は違うけど、どちらも孤独だった。似ても似つかない彼らだが、そこの共通して一緒だった。

だからかもしれない。

 

偶然で事が進んでいるように見えるが、全ては繋がっていた。

彼らが今まで起こしたこと全てが、めぐり合わせている。

 

続編とは言いませんが、これの後日談を読みたいですね。

最後は心が温まるような展開で寒い冬には(寮には)持って来いです。暖かいです。