86 エイティシックス 安里アサト 感想みたいな
第二十三回電撃小説大賞【大賞】受賞作!
サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器《レギオン》による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。
そう――表向きは。
本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。《存在しない“第86区”》。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機として》戦い続けていた――。
死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る“指揮管制官(ハンドラー)”となった少女・レーナ。
二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まる――!
電撃文庫 公式サイト 一部抜粋
面白かったです。
はい。面白かったですけど、コレ。
映画だとより面白く違和感なく観られるんじゃないかなぁと残念な気持ちがありますね。
小説で読むのも良いですが、映画の方がなぁ・・・絶対面白い気がするんだよなぁ。
惜しい。
文章が全体的に堅苦しく、最初は慣れるまで読むのに苦労する人も出てくるかもしれません。数十ページ過ぎる頃には、耐性がついて全く気にならなくなる程度ですが最初はやはり辛いかったです。
冒頭から文章のせいか、物語に入りづらく後から成るほど、成るほどと自分は読みました。
面白いんですよ。
半分辺りから一気に面白が加速するのですが、そこまで少し苦行ですね。耐えるのみです。
でもこの作品は物語を見ている感が拭いきれない。
この作品の為の設定、キャラクター、情景のような気がするんです。
ハンドラーのレイナも感情表現が豊かで可愛らしい子なんですが、どこか操り人形のように感じてしまいます。
物語も淡々と進み、死を当たり前として扱いたいのかほとんどのメンバーがいつの間にか死んでおります。
レーナが残念ですね、とカイエの死に対していった際の反応もあれが正しいのだと思います。
次の日、一晩経って彼らも落ち着いたのでしょう。
彼らにとっては日常茶飯事でしょう。
だから違和感が残るんです。
自分からしてみればもっと泣いても良いんじゃないかと思うんです。
毎日戦って心が疲弊し、すぐにまた戦闘で。
悲しむ暇がないと言えばそうですが、もう少しその描写が欲しいんです。
物語としては最高でした。
読んだ後の気分もとても良かったです。
でもどこか寂しいのです。
ストーリーのせいでしょうか。
続刊は必ず買います。